神のように絶対的な存在と信じていた
父ほど立派で優秀な人はいないと思っていた
彼のためなら、なんでもできた
血の滲むような努力も、なんてことはない
彼が笑っていてくれるなら、ピエロにもなろう
彼が認めてくれるなら、素晴らしい賞も取ろう
彼が喜んでくれるなら、この身も捧げよう
だが、ある日
神は地に堕ち、人間となった
あれほど敵わないと思い、敬服していた存在が音を立てて崩れていく
わたしは絶望した
父にとって、自身以外は虫けら同然
父のために魂を削り
心臓から流れる血の最後の一雫さえ
当たり前のように捧げていた我が子の命など
父にとってどれほど軽いことか
もう、わたしには何もない
文字通り以上に、父のために捧げられるものは何もない
これからも父は、父のまま
変わることなく生きていくのだろう
むしろ、変わらないことを願う
そして、自らが生み出した孤独を噛み締めて、死んでいくといい
わたしは後ろを振り返った時、誰かがそばにいてくれる人生を送りたい